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文部科学省 グローバルアントレプレナー育成促進事業(EDGEプログラム)
WASEDA-EDGE 人材育成プログラム ~共創館イノベーション・エコシステムの構築~

WASEDA-EDGE 人材育成プログラム
~共創館イノベーション・エコシステムの構築~

起業インターンシップ体験記

起業インターンシップ体験記

下島 洋(シタシマ ヨウ)

  • 所属:先進理工学研究科生命医科学専攻 朝日研究室 LD4(リーディング理工学博士プログラム4年生)
  • インターンシップ先:ams(オーストリア・グラーツ)
  • インターンシップ期間:2015年11月~2016年2月

Q.自己紹介をお願いします。

朝日研究室で生化学を専攻しています。酵素や蛍光タンパク質といったような機能性タンパク質を研究の対象としています。現在は、LOV2ドメイン利用した光制御型機能性タンパク質の創製を目指して、充実した研究生活を送っております。

研究以外にもビジネス経営にも興味を持っており、ビジネスコンペやアイディアコンペにも参加しています。2015年度のEDGE INNOVETION CONPETITION 2015では他大学のリーディング学生とタッグを組み、親と子のより良いコミュニケーションを助けるシステムを発表し、Gold Awardを受賞しました。
また、WASEDA-EDGEプログラムの授業を通してビジネスプランの作成の仕方を学び、その知見を本インターンシップで応用させるという経験を経て、2016年3月にはSuper Technology Officerの資格を取得しました。

Q:インターンシップの参加理由を教えてください。

ある特定のタンパク質の量を検出したいと考えた場合、通常はそのタンパク質のみと反応する抗体や、タンパク質そのものに蛍光タンパク質を融合し、その蛍光を測定することで検出するといった手法がとられています。しかし、これらの方法ではコストや時間がかかるといった問題があります。一方で、pHメーターに代表されるようなCMOSセンサーは、簡便かつ安価に系内の濃度を測定することが可能です。pHセンサーを使っているとき、ふと、CMOSセンサーを用いて特定のタンパク質の濃度のみを測定することはできないかと思うようになり、センサーに興味を持つようになりました。
本インターンシップ先として、アナログ集積回路(IC)の設計製造する企業として、民生・通信・産業・医療機器から車載向けセンサーをグローバルに提供するams社へのインターンシップの募集の話が来たとき、CMOSセンサーに関する知見を得る良い機会だと思い参加を強く希望しました。

Q:インターンシップ先ではどのような仕事をされていましたか。

インターンシップ先では主に2つの仕事をしていました。
1つ目は、実際に半導体の製造ラインで製造されるウェハーの評価です。基盤となるシリコンフェハーに何層もの金属層や酸化膜を積層させることで半導体が完成するのですが、各プロセスが適切に行われているかをチェックしたり、万が一問題が発生していた場合はその解決策を議論したりすることが主な仕事でした。

2つ目はバイオセンサーに関する知見の提供です。配属された部署では、タンパク質の濃度を測定できるセンサーの開発を新たなプロジェクトとして考えていたのですが、主に生化学的な知見の提供や参考になりそうな論文のセレクトを行っておりました。最終的には、調べ上げた知見をまとめ、癌マーカーとして有用なタンパク質のみをセンシングできる新たな病理マーカーセンサーの開発案を発表しました。

Q:インターンシップ(海外生活)で苦労した点、楽しかった事を教えてください。

日用品関連全般に苦労しました。食事は主に自炊でまかなっていたのですが、調味料が揃わなかったり、食器を洗うための洗剤が使い物にならなかったりと、日本にいるときは当たり前すぎて気に留めなかったことが意外と障害になりました。また、バスタブがなく3ヶ月間シャワーのみで過ごしたことも負担でした。

逆に言えば、それ以外、例えば言語や文化の障壁はあまり気になりませんでした。ドイツ語はもちろんのこと、僕はそれほど英語も得意ではなかったのですが、周りの方がこちらの意図を察してくれたこともあって、意思疎通に関して特に困ることもありませんでした。

また日本では終電間際まで研究室に残っていることが多いのですが、インターンシップ先では規則正しい生活が送れたことも良かったです(笑)

Q:週末はどのように過ごしていましたか。

週末はグラーツの歴史深い街並みを散策したり、隣国のチェコやハンガリー、スロベニアまで旅行をしたりしておりました。僕はヨーロッパの歴史ある街並みを当てもなく散策したり、絶景スポットを巡ったりすることが好きなのですが、そう言う意味でとても楽しい休日を過ごすことができました。

Q:このインターンシップで感じたこと、得られたことはなんですか。

本インターンシップは、長期間海外で生活する初めての経験でしたが、相手国の文化に早く溶け込むことができるかが重要だと感じました。郷に入っては郷に従えと言いますが、まずは、その国の歴史を知り、文化を知り、人間性を知ることが、海外生活を楽しむためのコツだと思います。また、企業でのインターンシップによって大学での研究のゴールと企業での研究のゴールには違いがあることを、身をもって知ることができました。

Q:今後のキャリア展開、今後チャレンジしたいことを教えてください。

博士号取得後は日本で仕事をすることしか考えておりませんでしたが、本インターンシップでの経験を通して、海外の研究機関で働くことも魅力的に感じるようになりました。海外の研究機関で10年ほど修行をし、日本に戻って自分の研究室を持つことが夢です。
また、ビジネスに展開できそうな研究成果が出た場合、今まで学んできたビジネスモデル作成のノウハウを駆使し、ベンチャーを立ち上げ、自らの力で自分の研究成果を商品化していくことも視野に考えております。

Q:WASEDA-EDGEプログラムへの一言、また今後参加される方にアドバイスをお願いします。

大学生活の4年間、6年間、あるいは9年間は、海外での貴重な経験を積むことができる貴重な期間です。この貴重なチャンスを自分のものにして、自分の糧にすることで、より充実した大学生活になると思います。WASEDA-EDGEプログラムは、その貴重な機会を与えてくれるプログラムです。みなさんも是非、プログラムを最大限活用し、チャンスを掴んで下さい。